
こんにちは。イラストレーターの大水音々です。
今回は先日、某サイト経由で納品したご依頼イラストを紹介させていただきます。
ご依頼者様(以下依頼者)は週末起業で移動販売のお豆腐ドーナツ屋さんをされている方。
「新調する名刺に入れるための、商品のお豆腐ドーナツを持ち、制服を着た大きな笑顔の似顔絵と、移動販売の足となる車両を2台、アイテムとして周りにある感じで描いてください」とのご依頼内容でした。
まずはいただいた資料画像からラフを作成。依頼内容に「大きな笑顔」とありますが、いただいたお写真に笑顔がなかったので悩みつつ、やはり変なもの描くわけにはいかない、と笑顔のお写真をお願いすると「大丈夫ですよ!」と快く送ってくださいました。
ラフの段階ではざっくりした構図を確認できたらそれで良いのですが、とは言っても全く似てないと修正も何も依頼者がピンとこないかもしれないので、この段階でお顔を描き込みます(あくまで私は、です)。
既存の名刺の写真もいただいたので、空いたスペースに合うように計算してみると……。

うーん、車がなんか変だな……。でも名刺のスペースに合わなくなるかもな。
そう思いながら、依頼者へ方向性の確認をしました。
依頼者もやはり変だと思われたのでしょう、修正となりました。
「車両は上より背景に持って行くほうがよいです、歯は見せず大きな笑顔でお願いします」とのことでした。
私はこの時「空きスペースの比率は気にしてないようだな」と思うと同時に「やはり変だと思う感覚を放っておいてはいけないな」と思いました。
これで依頼者からの信頼を失い兼ねないと思ったためです。
この点は今後気をつけていこうと決めました。
そして修正を加えたものがこちら。


車両の位置の候補が複数上げられそうだったので車両2台のイラストを別で描き、データ上で配置してみることにしました。

ごちゃごちゃしないよう車両はシンプルにしてみました。
依頼者に確認をとると「車両をシンプルに、というのは同意です。下側に配置の方で進めてください」とのこと。ちょっとほっとしました。
次は普段ならペン入れですが、何度かお手直しをした結果、紙がボロボロになってしまったので、トレースし別の紙へ描き直します。
やっていて「紙が綺麗な状態に戻って描きやすくなるし、いつももこうしたほうがいいのかも」と思いました。怪我の功名ってやつですね。
ペン入れした後がこちら。

ここから着彩していきます。

車両の文字入れは細かすぎるのでパソコンでやることに。
一旦依頼者にもその旨お伝えし、方向の確認をとります。
すると
「髭の剃り後はない方が若く見えると思うので、なしでお願いします。暖簾はうすく色を入れてください」とのこと。
しまった、つい髭の剃り後まで描いてしまったけどそういうこともあるのか!と反省し、元のイラストでは消すことができないけれど、データの方は消せることを説明し納得いただきました。
確認の積み重ね、大事です。
そしてできあがったイラストがこちら。

お客様にもっと満足していただけるイラストを描けるよう精進します。
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